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【創作漫画】なぜアンドロメダ銀河はアンドロメダ座から動かないのか

ギャラリー
2025.10.19
8ページ漫画の1ページ目。
「ナナちゃんひさびさ~」
キャップに三つ編みの人物が片手を上げて挨拶している。

モノローグ
「友人サワダが遊びに来た」

ニット帽にメガネの主人公が、片手を上げてサワダに答える。
「サワダひさびさ! 一年ぶり?」
「うそ、そんな経った~? ひさびサワダだよ~」
おどけたポーズをするサワダ。
「ワハハ行こ行こ」

「お腹すいた~」
「えーなに食べる? うわ、見てめっちゃ晴れてきた」
「うわ、川行こ、川で食べよ」
「ええや~ん」
2ページ目。
「あ~、めっちゃいい風吹いてる~」
「トンビおらん?」
「おる!」
空高くに一羽のトンビが飛んでいる。

テイクアウトの袋を持って河川敷に降りる二人。
主人公が木陰のベンチを指差す。
「木陰でトンビガードして食べよ。あいつら背後から来るから」
「うわ猫じゃらしめっちゃ生えてる」

「見て見て見て、アオサギ日光浴!」
川辺でアオサギが直立し、独特なポーズで日光浴をしている。
「ギャハハ、あれほんまにやるんや」

「てか、うま~」
「ねー」
「ポテトうま~」
「トンビも羨むうまさ」
ベンチでハンバーガーとポテトを食べる二人。
ピイ~ヒョヨヨヨとトンビが鳴いている。

「いや」
3ページ目。
主人公がサワダに問いかける。
「近況教えてや!!」
「えっ、なに急に」
ポテト片手にびっくりするサワダ。

「いや、うちら、一年振りの再会やで。なのに、鳥とポテトの話しかしてない」
「あれ、そやっけ?」
アオサギが、ワサス…と羽を畳む。

「サワダとの会話っていっつもそう…! ただただ目の前の実況」

回想シーン開始。
シートを広げて花見をする二人。
笑い転げている。
「見て見て見てあのトンビ!あの花見集団やられるで!」「ヒ~」

「またな~」
手を振りながら別れる二人。
(あれ…サワダの近況なんも聞けてない…)
回想シーン終了。

「近況がゼロ」
「ゼロは言いすぎやろ」
4ページ目。
ポテト片手に考えるサワダ。
「近況なぁ~、なんかあったかな。あ、いっこあった」
「なになに?」

「えっとな、まず、太陽って宇宙空間を猛スピードで移動してるやんか」
「近況の話やんな?」
思わず突っ込む主人公。

「え、てか太陽って移動してるん?」
「そうそう、太陽系ごとビューン」
太陽系が移動する図をスマホで検索してみせてくれるサワダ。
「ほんまや、必殺ビームみたいな図出てきた。どこに飛んでくの、うちらの太陽は」
「それはな~」
立ち上がるサワダ。
5ページ目。
「ここが銀河の中心!」
サワダは長い枝で地面にガリッと印をつける。

「太陽系はここを中心にグルグル公転しています」
銀河の中心を丸で囲むように、太陽の軌道を描くサワダ。
「あ~、地球が太陽の周りを回るやつのでっかい版?」
「その通り! ――でな?」

サワダは右手に枝、左手にポテトの紙袋を持ち、ポテトを一本くわえ取って食べる。タバコを吸うような渋い表情をしている。
「太陽はグルグル移動してるのに、星座の形が崩れないのってなんで? って思ったの」
背景に星座のイメージ。かなり昔から空にいる牛飼いおじさん。
「近況の話やんな?」
6ページ目。
「特にこいつ。なぜアンドロメダ銀河はアンドロメダ座から動かないのか」
星座のイメージ。
かなり昔から空にいるアンドロメダ姫。
アンドロメダ姫の脇あたりにアンドロメダ銀河があり、丸をつけて「こいつ」と書かれている。
「銀河のことこいつ呼ばわりするんや」

なおも話し続けるサワダ。
「他の星はまあわかるんよ。銀河丸ごと回転してるから位置関係変わらんってことやろ?」
"うちらの銀河"が回転する簡略図。
※素人の見解です。

「でも、こいつは違うやん。うちらと一緒に回転してないやん」
うちらの銀河の横にアンドロメダ銀河の簡略図。
アンドロメダ銀河のほうを枝でつつくサワダ。
※素人の見解です。

「こいつだけは違う動きせなおかしいやろが!」
アンドロメダ姫の脇からアンドロメダ銀河が離れていき、姫の服が引き伸ばされ、ひっぱらんといてーッと文句を言っている図。
※素人の見解です。
「銀河にキレてる?」
7ページ目。
「そこで気になったのが、人類はどのくらい太陽の軌道を進んだのか? 調べてみました!」
「偉い」

「人類の文明が五千年ちょい。それに対して、太陽の一公転にかかる時間が二億年ちょい。銀河年って言うらしい」
「ながっ」

「図にするとこう」
太陽軌道の円の上に、一つだけ点が打たれている図。
点の説明。「文明開始から現在」
主人公ツッコミ。
「動いてないやん」

サワダが地面に描いた図を指さす主人公。
「え? 太陽移動してないやん。星座が動いてない理由全部これちゃうん」
反論するサワダ。
「ちゃうねん、太陽は動いてんねん猛スピードで! 思ってた以上に宇宙のでかさがやばいねん」
白熱する空気。
8ページ目。
サワダは太陽を背負って立つ。身振り大きく枝とポテトを掲げて言う。
「うちらの太陽はあまりにも遠大な道を」
大声で被せる主人公。
「サワダトンビトンビトンビ」
太陽を背に襲い来るトンビの巨大なシルエット。

ラストのコマ。
宇宙の中に大きなアンドロメダ銀河が渦巻いている。
アンドロメダ銀河からはるか遠方には、小さな光が無数に瞬いている。
その光のうちの一つに、「うちらの銀河」と書かれている。
その光からは巨大な吹き出しが出ている。
「あ゛~ッ」
「守れ! 一本たりとも渡すな!」

奥付
『なぜアンドロメダ銀河はアンドロメダ座から動かないのか』
作者:秦セロリ
発行日:2025年10月19日
連絡先:hataceleryあっとジーメールどっとコム
URL:https://hatacelery.com/
利用禁止 Do not use my work.

関西コミティア74 の新刊でした!ありがとうございました!

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